胎内記憶だと、「不妊の人は赤ちゃんに選ばれてない」って聞いたけど本当?
「子どもができない…」と悩んでいる私たちからすれば、本当に嫌な言葉ですよね。
胎内記憶とは、赤ちゃんが生まれる前の記憶のこと。
その胎内記憶において「不妊の人は赤ちゃんから選ばれてない」なんて意見があるのです。
「本当に最悪な表現…」
ごもっともです。私自身、不妊治療中に胎内記憶の本を何回も読み、深く傷ついた経験があります。
でも逆に、「胎内記憶の本を読んだ経験があったからこそ、晴れて不妊治療から卒業できた」と言える気もしています。
この記事では、胎内記憶で「不妊の人は赤ちゃんに選ばれていない」という説を深く掘り下げつつ、「妊娠にどのようにつながったか」についてお伝えします。
ヒントは言葉の捉え方です。
意外かもしれませんが、妊活では「心のもちよう」が結果を大きく左右します。前向きに妊活できるようになるだけで、妊娠確率はアップしていくと、私自身の経験から確信しています。
この記事を最後まで読めば、あなたも前向きに妊活&不妊治療ができるようになりますよ!
胎内記憶とは?
そもそも、胎内記憶ってなんぞや?
という方もいると思うので、まずは胎内記憶がどういうものかをサクッと見ていきましょう。
胎内記憶とは「生まれる前の記憶」のこと
胎内記憶は、一言で言えば「赤ちゃんが生まれる前の記憶」のこと。
例えば「あったかいお水の中にプカプカ浮いていたよ」「お母さんの声がした」「音楽が聞こえたよ」などですね。
当たり前ですが赤ちゃんは話せないので、胎内記憶について話し始めるのは2歳頃からが多いようです。
2〜3割の子どもが胎内記憶を持っている
もちろん、全ての子どもたちが胎内記憶を持っているわけではありません。研究者の調査によると、持っているのは全体の2-3割の子どもに限られます。
私の調査では、2から3割のお子さんが「胎内記憶」や「前世の記憶」について語りだします(たいていは、大きくなると、そうした話をしたこと自体を忘れてしまうのですが)。
池川明. ぼくが生まれてきたわけ. KADOKAWA, 2017. 34ページ
また、胎内記憶をよく覚えている子が多いのは、3歳〜5歳ごろだそうです。
産婦人科医の池川明先生が集めたデータによると、この胎内記憶を年少さんで40%、年中さんで30%、年長さんで20%の子が覚えているそうです。
長南華香.こどもはママのちっちゃな神さま.ワニブックス,2017. 106-107ページ
胎内記憶は成長とともに消えていくんですね。
生まれる前の世界の記憶(中間生記憶)・前世の記憶(過去生記憶)を持って生まれてくる子もいる
胎内記憶という言葉から「お母さんのお腹の中にいる時の記憶」とイメージしてしまいますよね。
でも胎内記憶はそれだけでなく、「生まれる前の世界の記憶(中間生記憶)」と「前世の記憶(過去生記憶)」も含まれます。
「過去生記憶」「中間生記憶」とは
過去生記憶は、いわゆる「前世の記憶」です。たとえば「中国の詩人だった」「武士だった」みたいな感じですね。
対して中間生記憶は、「前世と今世の間の記憶」のこと。例えばあなたの前世が武士だったとすると、武士のあなたが亡くなり、今のあなたに生まれ変わるまで間がありますよね。その間の記憶が「中間生記憶」になります。
「中間生記憶」はのちのち重要なキーワードになるので覚えておいてください。
胎内記憶に科学的根拠はない
ズバリ言ってしまうと、この胎内記憶には科学的根拠はありません。
というのも、胎児の脳は記憶が定着するほど育っていないからです。
ちょっと難しい話にはなりますが、記憶を司る「海馬」という部位は生後8〜12ヶ月の間に大きく発達します。
事前明示的記憶 (海馬に依存する) の形式が最初の数か月で発達することが提案されています。生後 8 ~ 12 か月の間に、大脳辺縁系および皮質構造を広く利用する、より大人らしい形態の明示的記憶が出現します。2 種類の潜在記憶も最初の数か月で出現します。
The Ontogeny of Human Memory: A Cognitive Neuroscience Perspective(第 31 巻、第 5 号、1995 年 9 月、723 ~ 738 ページ)日本語訳
つまり、「胎児が記憶を持っている」ということはあり得ない…ハズなのですが、この世には科学で解き明かせないことがたくさんありますね。
「絶対有り得ない」と言えないのが難しいトコロです。
胎内記憶で「不妊=赤ちゃんに選ばれていない」と言われる3つの理由
胎内記憶の本や関連サイトで「不妊の方は赤ちゃんに選ばれてない」と直接的に表現している箇所はありません。
でも、「胎内記憶で言ってることをまとめると、不妊の人は結局赤ちゃんに選ばれてないってことだよね」と言えてしまうんです。
その理由について3つお伝えします。
- 「お母さんを選んで生まれてきた」と話す子がたくさんいるから
- 生まれる前の記憶で「雲の上にいた」と話す子がいるから
- 胎内記憶の本のほとんどは「妊婦・子持ちの親」に向けて書かれているから
「お母さんを選んで生まれてきた」と話す子がたくさんいるから
胎内記憶の本を読むと、必ずと言って良いほど「ママを選んで生まれてきた」という表現が出てきます。というより、本のタイトルになってます。
というのも、胎内記憶を持つ多くの子どもが「お母さんを選んで生まれてきた」と言っているらしいんですね。
「じゃあ、不妊の人は赤ちゃんに選ばれないってことじゃん…」となるのも当然です。
もちろん、赤ちゃんがいる人にとっては良い本なんだろうけども!
生まれる前の記憶で「雲の上にいた」と話す子がいるから
生まれる前の記憶を持つ子どもの多くが、「雲の上からお母さんを見ていた」と語っています。
「お空の上におっきい神様がいて、神様と一緒に、ぼくは、雲の上から、お母さんを見ていたの」
「私は“この人がいいな“と思って、空の上からぴょーんと飛んで、お母さんのお腹の中に入ったの」
そう、多くのお子さんは、お母さんを選んで、この世に生まれてくる、と言うのです。
池川明. ぼくが生まれてきたわけ. KADOKAWA, 2017・2017. 35ページ
これはいわゆる「中間生記憶」ですね。雲の上は「あの世」といったところでしょうか。
この表現だと、「雲の上でお母さんを選んだ」ということになってもおかしくないですよね。
だいぶスピリチュアルっぽくなってきました…
胎内記憶の本のほとんどは「妊婦・子持ちの親」に向けて書かれているから
胎内記憶の本を読むと、どの本も「妊婦さん」「お子さんを持つ親御さん」向けに書かれていることがわかります。
どの本でも、書かれているメッセージは同じです。
「あなたのお子さんは、あなたを選んで生まれてきたんです。だから、お子さんを大切にしてあげてくださいね」
そう。
胎内記憶とは、あくまで「子育てで悩む&出産を控えて不安なママさん」に向けたお話なんです。
だから胎内記憶の本には「不妊」についての記述はほとんどありません。あっても「ちょろっとだけ」。
しかも、「不妊の人は実は妊娠を望んでない。それを赤ちゃんが感じ取ってる」とか、「周りと一緒が良いからという理由では赤ちゃんはやってきませんよ」といったような、不妊の方をうっすら責めるような内容が多かったですね。
まぁ、子どものいる人には子どもができない苦しみはわからないでしょうね。
大切なことは「選ばれない」という言葉の捉え方
胎内記憶について知れば知るほど、「私は子どもができないから、選ばれてないんだ…」と悲しくなるかもしれません。
でも、悲しんでいる場合ではありません!
なぜなら、「言葉の捉え方で妊娠のしやすさは変わるから」です。
実は私自身も、不妊中にブックオフで胎内記憶の本に出会い、つい読んでしまいました。
それでめちゃくちゃショックを受けたんですね。
「あ、私は赤ちゃんに選ばれてないんだ」と。
それから、最初のほうは「胎内記憶なんてインチキだ」と、この手の本をののしりました。
でも、心の中で否定すればするほど、「私は選ばれていない」という思いが強くなっていったんです。
どうやら否定するほど「否定することへの思い」が強くなるということに気づいたんですね。
だから、否定することを一回やめました。
そして、こう考えることにしたのです。
「私は、”まだ”選ばれてないだけ。赤ちゃんが来るタイミングじゃないと思ってるだけ。じゃあ、いつ赤ちゃんが来ても良いようにしよう」
と。
つまり、否定するんじゃなくて、「私は”まだ”選ばれていない」と捉え方を変え、行動力の源泉にしました。
「選ばれない。悲しい…」と卑屈になっても意味がない。
だって悲しい顔ばかりしているママのところに、赤ちゃんは来てくれないだろうから。
むしろ、「赤ちゃんがお空で見てる」と思って毎日明るく過ごすことにしたんです(カラ元気な部分もありましたけど)。
そんな私のもとに赤ちゃんがやってきたのは、胎内記憶の本を初めて読んでから約半年後のことでした。
言葉の捉え方によって、人生は大きく変わります。妊娠だけに限りません。
不妊の私が赤ちゃんに選ばれるためにやった5つのこと
あなたもこう考えてみてください。「”まだ”赤ちゃんに選ばれていないだけ」だと。
ですから、選ばれるためにできることをやっておきましょう。
私が妊娠するためにやったことは、以下の5つです。
- ストレスをためない環境作り
- 妊娠しやすい身体を作る
- 自己否定のループから抜け出す
- 子どもがいない人生について考えておく
- 妊娠できない原因を徹底的に調べる
ひとつひとつ解説していきますね。
ストレスをためない環境作り
私が不妊治療中に「1番大切だ」と感じたのは、ストレスをためない環境作りです。
妊活が思うようにいかず、旦那との仲も微妙なものになり、ストレスをためまくっていました。
そして何より一番のストレスが仕事でした。わたしは歯科衛生士をしていたのですが、人間関係が悪くて「このせいで赤ちゃんできないんじゃないかな」と思ってました。
で、旦那に相談して、仕事をやめたんです。すると検査の数値がどんどん良くなり、結果妊娠することができました。
「ストレスと不妊って本当に関係あるの?」と思われるかもしれませんが、絶対にあります。私はそう確信してます。
妊娠しやすい身体を作る
これは基本中の基本なのであえて書きません。
身体をあたためる、適度に運動する。できることはなんでもやりましょう。
「あれをやってなかったから、妊娠できなかったんじゃないか…」と後悔するかもしれないですからね。
やらない後悔よりやる後悔の方が絶対いい。
自己否定のループから抜け出す
やっぱり赤ちゃんできないとどうしても卑屈になるんですよね。
「私が悪いんだ」とか「旦那に申し訳ないな」とか「赤ちゃんに選ばれないな」とか。
頭の中は自己否定の嵐です。「私には女としての価値がないんじゃないか」なんて思ったりもしました。そして、ネガティブにしか考えられない自分にまた自己嫌悪。以下無限ループです。
この無限ループが本当に辛かった。
きっと不妊を経験した人ならほとんど「うんうん」と頷いてくれるでしょう。
実はこの無限ループ、簡単に抜け出す方法があります。
それは…
「自己否定の渦に入った瞬間、スマホのメモを開いてその自己否定を文字にすること」
です。
実は人が悩みの無限ループを起こす時って、考えていることは多くて6、7個くらいしかないんです。
で、文字にするとどうして悩んでるかよくわかります。
そして人間って不思議なもので、あれだけ辛かった悩みも客観的に見つめてみると、
「こんなことで、毎回精神をすり減らしてたの…」
とバカバカしく思えるようになります。
重大な悩みがあっても、文字にすることで解決の糸口が見えてくることもありますしね。
「そんなことで悩みが吹っ飛ぶなんて…」
と思われるかもしれませんが、本当です。
無限ループに入ったら、騙されたと思って一度やってみてください。
すごく効果があるので、びっくりすると思います。
子どもがいない人生について考えておく
なかなか赤ちゃんができないと、「このままできなかったらどうしよう…」と不安になりますよね。
この不安は、「どうしよう…」の部分を具体的に考えることで軽くなります。
というのも「わからないこと」を「わかるようにする」と不安は解消されるからです。
私の例で言うと、「もし妊娠できなかったらどうするか」を旦那と話し合った結果、以下のようになりました。
- 2人でしかできないことをする(海外旅行・高級なお店に行くなど)
- 色々な場所に移住する(子どもがいたら移住できない)
- 大型犬を飼う
- どうしても子どもが欲しくなったら養子を迎える
もちろん「子どもができるのに越したことはない」のですが、「できなかったらどうするか」を決めることで余裕を持って妊活できるようになりましたね。
「旦那さんと2人の人生も悪くないかな」と思えるほどになりました。
妊娠できない原因を徹底的に調べる
妊娠できない原因を徹底的に調べました。
もう、それこそ徹底的に。
私の場合は「人工授精で妊娠できる」と言われていましたが、回数を重ねてもなかなか妊娠できませんでした。
その時は「条件は整ってるはずなのに…」と半端なく落ち込んでましたね。
そこで、最初は気が進まなかった「スピリチュアル」的な原因も探った結果、色々と見えてくるものがあったんです。
詳しくは下記記事をご覧ください。
【絶対回避】赤ちゃんに選ばれなくなる4つのNG行動
「赤ちゃんに選ばれるためにやること」があれば、選ばれなくなるNG行動もあります。
ただし、この全てを完全に止めることは不可能です。読んで貰えばわかると思いますが、私も含めて不妊の方がみんなやっていることです。
ここでご紹介しているのは、
「このNG行動をしたら、絶対に赤ちゃんから選ばれない!」
というものでは決してありません。
大切なのは、NG行動をした後の対処です。
うまく対処すれば大丈夫なので、安心してくださいね。
気付くことが大事!
「今来られたら困る」と考える
一つ目は、「今来られたら困る」と考えるのはNGです。
「そんなこと考えてるわけないじゃん!」と思われるかもしれませんが、それに近いことは意外と誰でも考えてます。
- 経済的に厳しいから出産も育児も不安だ…
- 赤ちゃん産むの痛そう…
- 陣痛が怖い…
- 旦那との仲が悪くて、夫婦でちゃんと育てていけるか心配…
そう。「来られたら困る」とは考えてないのですが、それっぽいことはみんな考えているんです。
心と体は繋がっているので、「いつでもウェルカム状態」で赤ちゃんを迎え入れましょう。
心が後ろ向きだと、身体も後ろ向きになっちゃいます。
妊娠に執着する
二つ目のNG行動は、「妊娠に執着すること」です。
「妊娠に執着する」というのは、こんな状態ですね。
- 妊娠できなかったら、もう生きてる意味なんてない…
- 赤ちゃんがいない人生なんて絶対に嫌だ
- なんとしても妊娠してやる
つまり「妊娠することに全てを捧げている」状態です。
かくいう私も、何度もこんな状態になりました。なってしまうのは仕方ないことです。でも、精神的に辛くなっていってストレスがたまるんですよね。すると、妊娠が遠ざかっていく。
執着は、「私、今執着してるかも」と気づくのがとても大切です。
執着してる自分に気づいたら、先ほどお伝えした「悩みの無限ループから抜け出す方法」「子どものいない人生を考える」をやってみましょう。
この2つをやることで、執着から抜け出せるはずです。
他の人と比較する
3つ目は「他の人と比較する」です。
不妊だと、嫌でもベビーカーや抱っこ紐の赤ちゃんが目に入ってきますよね。
芸能人の「妊娠しました!」「出産しました!」といった報告を見るのも嫌になりますね。
妊娠した仲の良い友達を祝福できない自分にも嫌気がさしたりして。
でも、そうやって嫌な気持ちになる度に
「自分は自分。人は人。」
と切り離して考えることで乗り切っていました。
大事なのは想像力です。
もしかしたら妊娠した芸能人だって、「何年も不妊治療した末に授かった赤ちゃん」の可能性もありますから。
「自分だけが苦しいわけじゃない」そう思えるようになると、意外と救われます。
やるべきことをやらない
5つ目は、「やるべきことをやらないこと」。
私は、不妊治療のやめ時をこんなふうに設定しました。
○○歳の誕生日に、治療をやめる。それまでに、妊娠のためにできることは全てやる。
なぜやめ時を設定したのかと言うと、「いつまでもダラダラと続けて妊娠確率が下がるのを避けたかったから」です。
「今が1番若い日。思いついたら即行動!」
なんて言いますが、不妊の場合はこの「若さ」が何より大事ですよね。
私は、「まだ○○やってない。○○やったらきっと妊娠できるはず…」とやるべきことを後回しにして可能性を残そうとするクセがあり、時間を無駄にしてたんです。
でもある日、
「これじゃダメだ!ダラダラ妊活して結局妊娠できないで終わる!」
と思い、治療のやめ時を設定して、やれることはすぐにやろうと固く決意したんです。
不安になると、やるべきことを後回しにしちゃうんですよね。
あなたが今「後回しにしていること」はなんですか?
気が進まないかもしれませんが、この記事をきっかけに今すぐ行動に移してもらえたら嬉しいです。
まとめ
ここまで「胎内記憶の不妊」についてお伝えしてきました。
私としては、あなたにお伝えしたいメッセージはたったひとつ。
「赤ちゃんに選ばれない」と悲しんでる場合じゃない。その言葉をバネに、妊娠確率を上げるために動きましょう!
です。
だって…「胎内記憶」は子どもがいるお母さんに向けられた概念なのに、不妊の私たちがそれで傷ついてるって、なんか悔しくないですか?
なら、やれることは全てやって、早く赤ちゃんを授かりましょうよ。で、胎内記憶の話をお子さんにしてやりましょう笑
「私は選ばれた!」
と胸を張って元気な赤ちゃん産みましょうよ。
そのためにやるべきことがあれば今すぐやりましょう。
もし何か聞きたいことがあれば、遠慮なくお問い合わせフォームにご連絡ください。できる限りのお手伝いをいたします。
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